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ミステリの祭典

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事件現場をドールハウスに
メープル・ビショップ

作家 ケイティ・ティージェン
出版日2025年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2025/12/08 07:50登録)
(ネタバレなしです) 米国の女性作家ケイティ・ティージェンのデビュー作となる2024年発表のメープル・ビショップシリーズ第1作です。コージー派の本格派推理小説ですがユーモアは控えめです。作中舞台は1946年の田舎町エルダーベリーで、戦争未亡人となったメープルの不幸な境遇が序盤から卓抜な筆で描写され、読者は物語に引き込まれるでしょう。メープルは弁護士資格を持つほどの才媛ですが女性ではそれも就職に役立たず、まっすぐな性格と率直過ぎる物言いでしばしば人と対立してしまいます。しかしメープルには写真のような記憶力とドールハウス製作技術という才能もあり、これを活かして保安官と対立しながらも怪死事件の謎解きに挑みます。いくつかの伏線を張ってはいますが読者が自力で推理するには十分とは思えず、かなり飛躍した推理と自白に頼って解決していますが長めの後日談を用意するなど物語性を重視している作品です。作者の謝辞と巻末解説でメープルには実在のモデルがいたことが語られているのも興味深いです。

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