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ミステリの祭典

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抱く女

作家 桐野夏生
出版日2015年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 レッドキング
(2025/10/06 23:16登録)
敗戦から二十数年を経て、政治・闘争だけでなく、精神・情念においても、ようやく、旧権威へのアンチ衝動が煌めき出した、60年代末~70年代初頭。が、反権威それ自身もまた、新たな権威として己を紡いで行ってしまった時代。
そして、人類史(おそらく哺乳類のレベルで)に普遍的にながれて居る、「男 - 女」の「支配-被支配」構造。フェミニズムという概念は知られず、せいぜい「ウーマンリブ」という、好奇・嘲り・冷笑の視線で迎えられた女達の抵抗表現。ジャズ喫茶・新左翼セクト・雀荘・・前衛の衣を纏った、旧態依然たる文化装置。曙光の幻影をチラつかされながら、閉塞した制度を生きざるを得なかった女達への苦い哀哥。(全然ミステリでないが、まあ、いいや、点数、大おまけ)

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