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ミステリの祭典

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不死販売株式会社
別題「フリージャック」

作家 ロバート・シェクリイ
出版日1992年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 クリスティ再読
(2025/09/24 10:08登録)
主人公ブレインは突然の自動車事故であっさりと死んだ。しかしブレインが目を覚ますとそこは22世紀の世界。この時代には精神と肉体を分離する技術が発展し、それによって人間は「不死」を実現して「死の恐怖」を克服していた。主人公は不死産業の広告宣伝の目的で、過去から未来へと転移させられたのだった...しかし、未来世界での主人公の立場を巡って、主人公は「狩り」の対象として追いつめられる..

こんな話。昔ミック・ジャガー主演で映画「フリージャック」として公開されたのを知ってるけど、見なかったな(苦笑)ミック・ジャガーの主演作でもないらしい。宣伝はウソだ。B級SFで当たらなかったけど、今は逆にB級テイストが珍重もされているようだ。

で小説は早い話がSFに見えて、オカルト・スリラーだなあ。ゾンビ、幽霊、転生と言ったオカルト現象を、疑似科学的に説明しつつ、マンハント・スリラーを構築している。だから結構グロテスクな話。お金のために自殺して肉体を売るとか横行しているディストピアなんだ。ゾンビは分離された精神がうまく肉体をコントロールできない事故みたいなもので、腐りながら動き続けるわけだ。そんなゾンビが主人公に付きまとうことになるのだけど、なかなかのキーパーソンで、ちょっとしたどんでん返しもある。そこらへん結構ミステリかな。

まあだから、星新一の「殉教」(「ようこそ地球さん」収録)って、この作品テーマを「死の克服」に絞って作品化したようなものかな。たぶん影響している。
(考えてみると「フリージャック」は「フラットライナーズ」が当たったことに、サイバーパンク色を加えてみる企画だったのかなあ。原作シェクリイというあたりが合っているのか合ってないのか違和感があるんだよね)

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