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ミステリの祭典

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時計殺人事件
ヴァルクール警部補

作家 ルーファス・キング
出版日不明
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2026/01/02 22:32登録)
(ネタバレなし)
 その年の春のある夜。NY市警のヴァルクール警部補が帰宅しかけたところ、署内に何やらただならぬ? 通報があった。どうやら富豪ハーバート(ハーブ)・エンディコットの美貌の奥方からの電話で、夫妻の自宅周辺で何か特別な事が生じているらしい? 同家に赴いたヴァルクールは、夫人から状況の説明を受けるが、そんな彼の眼前で事態はさらに思わぬ方向へと遷移していく。

 1929年のアメリカ作品。おなじみ? ヴァルクールものの第一弾で、黄金時代の一流半都会派パズラー。

 エンディコット家に赴いたヴァルクールが出くわす第1章ラストのサプライズから始まり、起伏に富んだストーリー……になるはずのところ、登場人物の描写も話の転がし方の演出も、どれも中途半端な練り込み不足感が強い。
 真犯人の暴かれ方や事件の構造の着想など、かなり面白くなる可能性は秘めてたんだけどね。
 ヴァルクールの部下の刑事チームがしっかりお話の流れに組み込まれるのも悪くはないし。
  そこ、もっと推そうよ、といいたくなる箇所を次々と雑に放り出して、それでも二流品としてはソコソコ面白いものはできた……?(でももったいない!)という感触である。

 エピローグの余韻も、謎解きミステリの技巧性と遊戯性が好きな送り手として、ちょっとハジけてみようとした(でもいまひとつキマらなかった……)感触はある。
 ひとばんの内に事件がおおむね片付いて、その時間経過が明記される趣向は確かに楽しいが、ミステリの謎や事件の構造とはあまり関係のない、ただ作者がやりたくてやった(読者を楽しませようとした)悪い意味で、単なるギミックだったのはちょっと残念。

 ただまあ、作者なりの茶目っ気は『不変の神の事件』同様に感じられる面もあり、前述の通り一級半~二級品の黄金時代パズラーとしてのそこそこの魅力は感じないでもない。
 高い期待はしないので、残りのシリーズの未訳分も、少しずつ出してください。

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