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ミステリの祭典

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謎が解けると怖いある学校の話 260字の戦慄【闇】体験
「怖い場所」 超短編小説シリーズ

作家 藤白圭
出版日不明
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 斎藤警部
(2025/08/16 10:30登録)
掌編より儚い指編小説の寄せ集まりだが、全体通して見ると、呪われた古い学校を舞台とした一本の中編?ストーリーとなっている。
冒頭に 「主な登場人物」 一覧もあり、短い一編一編のつながりに思いを馳せる事が出来、そこはなかなかの美点。

ところがどっこい、一編一編が、「本編」 と 「解説編」 とに分かれる形式のミステリめいたホラー作品であり 幽霊譚|残虐譚|人間関係恐怖譚|陰湿いじめ話 等で構成されておるのだが、どれもこれもどうにも押しが弱くひねりが浅い。 若年層向けというよりは子供だましの感が強い。 それでいてこのようなライト残酷・ライト陰鬱な内容となると、ちょっとどうですかねという感想になってしまう。 ところどころ 「解説編」 が一読ピンと来なかったり、また言葉尻にホラー要素を引っ掛けたセコい話も目立ち、心はいつしか低評価モードへと。。

されど一編一編読ませる魅力はあり、特に終盤に入ると全体ストーリーの締めがどうなるか気になって仕方がない。 だが読了してみると、そこにはただ風が吹いているだけ、かも知れない。
いや、やはり私のようなホラー感覚欠如の者が読むからこのような読後感になるのであって、正常なホラー感覚の読者であれば違ってくるのではないかとも思う。

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