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ミステリの祭典

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希土類少女

作家 青柳碧人
出版日2012年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2025/08/14 22:17登録)
高純度のレアメタルを生成する能力を持つ冴矢。症状が発見された少女は、産業を潤わせる一方、25歳までしか生きられない。そんな冴矢の絶望的な日常は施設職員・江波との出会いで変わり始める。だが、やがて二人はコミュニティ全体の命運を左右する決断を迫られるのだった――。限られた時間を生き、運命と対峙する少女の、儚くも美しいSF長編。
Amazon内容紹介より。

うーん、何とも言えませんねえ。良いとも悪いとも言えない、何とも・・・。レアメタル生成症候群という発想は悪くないと思いますが、現実味が薄すぎて如何にも作り物めいた感じが拭えません。それともう少し医学的観点からの描写があっても良かった気がします。ただ記憶に残りそうな印象はあって、その意味では捨てがたいものがあったのかも知れません。

で、結局何がやりたかったのかがよく理解出来ませんでした。要するに特異設定に於ける沙矢と江波のラブストーリーだったのでしょう。時折琴線に触れる様な瞬間もありましたが、どこか喰い足りない側面も見られ、高得点とはならなかったのは残念でした。まあSFと言っても人間臭さが漂うちょっと風変わりなファンタジーと云ったところでしょうか。

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