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ミステリの祭典

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正しい世界の壊しかた 最果ての果ての殺人

作家 彩藤アザミ
出版日2025年07月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 虫暮部
(2025/08/17 13:35登録)
 まず世界が示される。多少の波はあっても日々穏やかに過ぎる信仰心篤い何処か。何度も読んだような設定だが、つましい生活がそれなりに好ましく描かれている。
 これがフェーズ1だとして、事件が起きて世界が反転してあらわになるフェーズ2。こちとら騙され慣れているから驚天動地とは言わないが、“そう来たか” と心惹かれる展開。
 ところが、更に捻ってフェーズ3、“これがとどめだ” と行きたかったのだろうが、残念ながら一歩後退。と言うのは、真相が2より1に近いから。気持の準備が出来ていたせいか “ふーん” と思っただけだった。
 フェーズ2のままで、外界との軋轢とかギャップに引き裂かれる村人とかを読みたかった。

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