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ミステリの祭典

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沈黙の終わり

作家 堂場瞬一
出版日2021年04月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 猫サーカス
(2025/08/02 17:55登録)
江戸川沿いで七歳の女児遺体が発見された。東日本新聞柏支局のの記者・松島は取材に乗り出した。そのニュースを聞いた埼玉支局の古山は、埼玉でも四年前に八歳の女児行方不明事件があったことを思い出す。闇に葬られた迷宮入り事件を、記者魂溢れる二人が掘り返していくサスペンス。なぜ捜査の矛先が鈍ったのか。なぜ取材に圧力がかかるのか。背後にあるものに忖度することなく突き進む二人がリアルに描かれていく。事件の行方もスリリングだが、話はそこにとどまらない。物語は今の新聞社に内在する問題に深く切り込んでいくが、それこそが本書のテーマとなっている。自らも新聞記者だった作者による、今の新聞メディアへの警鐘であり、批判であり祈りである。

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