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ミステリの祭典

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アルラウネの独白
女学生探偵シリーズ

作家 てにをは
出版日2014年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2025/07/24 22:28登録)
シリーズ累計160万再生超えの大人気ボカロ曲の小説第3弾! 推理小説が好きな高校生・ひばりと、偏屈な推理作家・久堂の事件簿!! 『推理作家は夜走る』『アルラウネの独白』『雪宿りの作法』の3編収録!!
Amazon内容紹介より。

女学生探偵シリーズ第三弾。個人的には『推理作家は夜走る』>『雪宿りの作法』>『アルラウネの独白』。『推理作家は夜走る』は主人公の女学生探偵ひばりが何やら訳ありげな久堂を尾行し、彼の過去を掘り起こしていきます。その間にひばりの同級生達とも同行したりして、誰一人無駄な人物が出て来ないのが好印象でした。相変わらずの微妙な師弟関が付かず離れず描かれて、二人の行方が気になります。

表題作は呪いが掛けられていると噂される演劇『アルラウネの独白』を巡る日常の謎が描かれています。読み物としては面白いですが、ミステリとしては弱いです。シンプルな密室トリックもありますが、他愛のないものであまり誉められたものではありません。
最後の『雪宿りの作法』は少女?幼女?時代のひばりを預かることになった学生時代の若き日の久堂と、幼気なひばりの初めての出会いが、そこはかとない優しさに包まれた雰囲気で描かれています。中編と短編の最後を飾る物語としては、温かい余韻を残す心に沁みる好編に仕上がっていると思います。

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