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ミステリの祭典

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嘘か真言か

作家 五十嵐律人
出版日2024年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2025/07/06 18:36登録)
 裁判官に任官して3年目の日向由衣は、念願がかなって志波地方裁判所の刑事部に配属されるも、先輩となる紀伊真言(まこと)の裁判を傍聴するばかりで、一向に裁判官席に座らせてもらえない。紀伊には、無感情に有罪判決を宣告する、との悪評とともに「被告人の嘘が見抜ける」との噂があった。そんな由衣に、部長から「紀伊真言が嘘を見抜けるか見抜け」との課題が出される。不満と焦りを感じながらも、紀伊の裁判に立ち会う中で、由衣は様々なことを考え、学んでいく。

 現役弁護士の作者らしい、法廷を舞台にしたリーガルミステリー。闇バイトや無戸籍など、現代に即したリアルな題材において、確かな法的知識が分かりやすく描かれているのも興味深く面白い。
 ラストはちょっと面映ゆくなるようなクサい大団円ぶりだけど、心地よい物語の終着である。
 面白かった。

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