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ミステリの祭典

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木曜殺人クラブ 二度死んだ男
木曜殺人クラブ

作家 リチャード・オスマン
出版日2022年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2025/07/02 00:34登録)
(ネタバレなしです) 2021年発表の木曜殺人クラブシリーズ第2作です。ハヤカワポケットミステリーブック版では「傑作謎解きミステリ」と紹介されている一方で「スパイとマフィアが絡む大事件に、老人探偵たちが挑む!」とも記載されています。シリーズ第1作の「木曜殺人クラブ」(2020年)はアマチュア探偵たちが謎解きする伝統的な本格派推理小説でありましたが、本書では元諜報員(MI5出身)であったエリザベスへの元同僚からの連絡をきっかけにMI5、警察、犯罪者(組織も個人もあり)が入り乱れるスリラー小説的な展開となります。巻末解説で「二作目で物語の幅が一気に広がった」と誉めていますが、現役時代は凄腕と評価されてたとはいえ76歳のエリザベスが捜査の中心になるストーリーはかなりの違和感を感じました。ダイヤモンドの隠し場所を巡る推理などはよくできていると思いますが、本格派推理小説を期待している私にはこの作風の変化はちょっと馴染めなかったです。前作より派手になったのは間違いないので、楽しめた読者も多いとは思いますが。

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