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ミステリの祭典

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虎と兎

作家 吉川永青
出版日2024年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 猫サーカス
(2025/07/01 17:50登録)
会津藩の白虎隊に加わりながら生き残った、15歳の三村虎太郎。生きる意味を求めて海を渡り、米国・カリフォルニアの農園「ワカマツ・コロニー」で働き始める。ある日、シャイアン族の少女・ルルを助けた虎太郎。一族を虐殺され、ひとり生き残った彼女は、とある秘密を握ったため、カスター中佐の依頼を受けた、ピンカートン探偵社に追われていた。史実や実在人物を使いながら、ストーリーは自由奔放。ルルを守る虎太郎は、ピンカートン探偵社と死闘を繰り広げたり、先住民と共にアメリカ軍と戦ったりする。剣と会津藩独自の武術を駆使する、主人公の躍動が魅力的。さらに虎太郎やルルを通じて、国家権力に蹂躙された人々の怒りや悲しみが、重層的に伝わってくる。様々な困難を乗り越えていく二人の姿が痛快。

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