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ミステリの祭典

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52ヘルツのクジラたち

作家 町田その子
出版日2020年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2025/06/27 22:22登録)
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
Amazon内容紹介より。

流石に本屋大賞受賞作だけのことはあります。私に言わせれば広義のミステリですね。ちょっと無理があるかも知れませんが、トリックは確りと仕掛けられています。普通の感性を持っている人なら一回は涙を流す事でしょう。正に良作と言えると思います。物語は色々な形で動きます、その辺りの手腕は確かなものがあり、小説としてちゃんとした体裁を持っています。

そして登場人物もキッチリ書き分けられており、人間ドラマとして極上の時間を提供してくれます。一人きりで悩んだり辛い思いをしている人々に特に読んで欲しい小説です。きっと何かのきっかけになる事と思います。又そう願いたいです。

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