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ミステリの祭典

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七人の迷える騎士
ヴィッキーシリーズ

作家 関田涙
出版日2003年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2012/10/09 01:09登録)
(ネタバレなしです) 私がハードボイルドやサスペンス小説に関心を持たないのはそれらが残酷さ、気味悪さ、怖さ、汚らしさなどを過剰に表現しているのではないか、そういう作品はあまり読みたくないなというのが主な理由です。さて2003年発表のヴィッキーシリーズ第2作の本書は「読者への挑戦状」(正確には「ヴィッキーからの挑戦状」)が解決章の前に挿入されているし、暗号に密室、見立て風殺人など謎はたっぷり用意されていることからも王道的な本格派推理小説であることは間違いありません。犯人の計画が細かすぎて犯行の成功が好都合に感じられますが、謎解きもよく考え抜かれています。しかし23章以降の、犯人の動機に関わる部分(ネタバレ防止のために詳しく書けませんが)を長々と説明し過ぎたのは意外性よりも後味の悪さを残してしまったような気がします。犯罪の悲劇性を演出するという意味では成功したと言えなくもありませんが、個人的にはそこまで踏み込まなくてもと言いたいです。

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