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ミステリの祭典

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星巡りの瞳

作家 松葉屋なつみ
出版日2021年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 まだ中学生(仮)
(2025/06/20 20:56登録)
降臨した天人の霊威を受けた大王が千年の間、統治し続ける敷島国。鬼に襲われて片目を喪失したために、次代の大王・春宮候補の地位を奪われた宮家の青年・白珠は、鬼が跋扈する旧都へ赴く。
密教伝来当初を思わせる和風世界での鬼退治。妄執に憑かれ鬼と化した人間の救いを描く、説話的な展開は深みがある。そこに妖しく美しい旧都の真相や、二百年在位する大王の正体などミステリ要素が加わって飽きさせない。鋭い観察眼で他者の心を見抜きつつも、弱さを受け入れる主人公・白珠の佇まいもいい。

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