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ミステリの祭典

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遺伝子インフェルノ
『二重螺旋のミレニアム』を改題

作家 清水義範
出版日2000年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2025/06/18 22:30登録)
簡単に遺伝子操作を受ける授精卵。時とともに若返る女性……。限りない繁栄と技術の発展を経て、人類は絶滅への第一歩を踏み出した。近未来で人類を待ち受ける恐怖を大胆に描いた予言小説。
Amazon内容紹介より。

清水義範渾身のSF連作短編集(著者によれば連作長編らしい)。
遺伝子、DNA、ニューロン、シナプス、ゲノム等のそれらしい用語が出て来ますが、内容は難解ではありません。面白いのは面白いですが、あまり印象に残りません。個人的にはもっといかがわしさや禍々しさを強調しても良かったのではないかと思いました。その方が一連の物語にフィットしている気がします。

最初は連作とは思わずに読み進めていましたが、第三話くらいであれ?となりました。同じ名前が出てきたと。そうなのです、本作はある組織に属する男性が主人公であり、彼は他では見られない憐れな境遇に遭います。
テーマとしては不老長寿が根底にあり、多くの短編がそれに沿って物語が進行しています。正に遺伝子レベルのミクロの世界を、壮大に描いた崩壊と誕生のストーリーです。ラストは果たしてこれで良かったのかと、疑問を投げかける、何とも言えない余韻を残します。

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