home

ミステリの祭典

login
翳りゆく午後

作家 伊岡瞬
出版日2024年12月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 たかだい
(2025/06/15 19:01登録)
社会問題にもなっている高齢者ドライバーによる自動車事故をテーマにした社会派なミステリー作品
正直、ミステリーとしての謎、真相だけを見ればなんて事のない小説です
ただ、そこに「いつ当事者になってもおかしくない」というリアリティが加わって一級のサスペンスに仕上がっていると個人的には感じられた
作品の冒頭、厳格な祖父の些細な異変から始まり、そこに何やら女性関係も絡むらしい、からの「人を轢いたかもしれない」
作中、主人公も半狂乱の心境で事件・事態に向き合うわけだが、我が身になって考えると恐怖である
やや主人公が自己保身のきらいが強く、若干の嫌悪感がなかったわけでもないが、概ねリアルな反応が描かれていたと思います
日常生活を送る上での実態もあって簡単には解決出来ない問題とは言え、それを踏まえても中々に心を抉ってくる作品でした

1レコード表示中です 書評