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ミステリの祭典

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刑事たちの夏

作家 久間十義
出版日1998年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 SU
(2025/05/24 21:21登録)
黒い噂の堪えない大蔵省高官がビルから転落した。捜査に当たった松浦刑事は他殺の証拠を掴むが、事件は自殺と断定され捜査本部は解散してしまう。松浦はマスコミに情報をリークし、仲間とともに政官財そして警察内部に巣食う黒幕に戦いを挑む。
事件構図は比較的早く判明するが、そこから大円団までの道のりが長いのが特色で、作者はその間をフル活用し、警察内部の腐敗と政界を巻き込んだ権力闘争を、細大漏らさず余すところなく描き出す。主人公の松浦を、正義感あふれる熱血刑事として造形することで、彼が挑む巨大な陰謀の醜さを強調しているのも心憎い。

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