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ミステリの祭典

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津軽神話殺人事件
トラベルライター・朝倉麻里子

作家 風見潤
出版日1987年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2025/05/24 16:23登録)
(ネタバレなしです) 1987年発表の羽塚たかし&朝倉麻里子シリーズ第2作の本格派推理小説です。第一章のタイトルが「十三の死体」なのでこれは大量殺人事件での幕開けかと驚きましたが、この「十三」は大阪の十三(じゅうそう)でした(笑)。この地で羽塚たかしが殺人事件に巻き込まれます。被害者は「ジュウ、ジュウサンノカク」とダイイングメッセージを残し、この謎は第五章で解かれます。一方青森では朝倉麻里子のようなトラベルライターを目指している女性が取材旅行中に行方不明になり、やがて二つの事件が関連することがわかります。社会派推理小説にありそうな動機、歴史書の分析など予想以上に複雑に考えられたプロットで、中でもアリバイ崩しの謎解きは羽塚たかしが音を上げそうになるほどです。これだけ緻密なトリックは文章だけで理解するのは難解で、時刻表や路線図を添付してほしかったですね。私の場合、あっても理解できないかもしれませんけど(笑)。

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