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ミステリの祭典

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深夜の囁き
私立探偵タナー

作家 スティーヴン・グリーンリーフ
出版日1989年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2025/05/20 20:10登録)
ジョン・タナー第6作の原題 "Toll Call" は長距離電話の意味ですが、実際には市外からかかってくるわけではありません。その電話をかけてくるのは謎の男で、かけられるのはタナーの秘書ペギー、彼女に脅迫的に猥褻な話を強要する電話です。かかってくる時間帯は毎日深夜なので、邦題はなるほどと納得できます。
「ペギーとの関係は、少なくとも私にとってはユニークなものだった」のが、この深夜の電話事件で、二人の関係に気まずさが生じてくるという展開で、ラブ・ストーリー的な作品になっています。その話をもう一つの事件と組み合わせているのですが、別の事件があるということさえ、終盤近くにならないとわからない構成になっています。このつなぎ合わせ方には、あまり感心しませんでした。
訳者あとがきによると「脱線」という否定的な評価もあったそうですが、確かにハードボイルドとは言えません。

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