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ミステリの祭典

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魔法使いが多すぎる 名探偵倶楽部の童心
〈名探偵倶楽部〉シリーズ

作家 紺野天龍
出版日2025年02月
平均点8.00点
書評数2人

No.2 8点 パメル
(2026/06/21 09:58登録)
人を不幸にしない名探偵を目指す来栖志希と、その助手となった瀬々良木白兎。彼らのもとに、自らを魔法使いと信じる聖川麻鈴から、10年前に起きた師匠の不可解な死「白ひげ危機一髪殺人事件」の真相を解明してほしいと依頼される。
この事件に、それぞれ異なる魔法分野に長けた姉弟子たちが、次々と自分が殺したと自白するという異常事態に陥ってしまう。現実世界と魔法世界が入り混じるような不可解な状況の中、名探偵・来栖は「依頼人を信じぬく」という信念を胸に、論理の力で姉弟子たちの偽りの自白を見破り真相へ迫っていく。
依頼人の幼少期で見聞きしたものは、実際には何だったのか。魔法で殺害されたように思えた被害者にどんなトリックが使われたのか。依頼人の救いのための謎解きを行う来栖志希と、真実を明らかにするための謎解きを行う金剛寺煌の二人の探偵の謎解き合戦が読み応えがあり、どんでん返しが連続する後半の展開が素晴らしい。ファンタジーと錯覚させる前半の描写から、現実的なトリックへと着地させる手際が鮮やか。本作は不可能犯罪と多重解決がうまく融合されており、それぞれの矛盾をロジックでついていくプロセスが見事。優れた本格ミステリ小説であるとともに、爽やかな青春小説であり、可愛らしいキャラクター小説である。

No.1 8点 人並由真
(2026/02/11 06:15登録)
(ネタバレなし)
 2019(2020?)年。「僕」こと東雲大学の薬学部2年生で、校内の先輩かつ「東雲の名探偵」金剛寺煌(こんごうじ きら)が創設した<名探偵倶楽部>の一員である瀬々良木白兎(せせらぎ はくと)は、ある夜公園で二人の若き女性魔法使いが対決する図を目撃する。その魔法使いの片方で母校の在学生でもある美女・聖川麻鈴から事情を聞いた瀬々良木は、後輩の美少女・そして名探偵の来栖志希とともに、10年前のクリスマスの時期に起きた「白ひげ殺人事件」の真実に立ち入っていくが、事態は思わぬ展開を繰り返していく。

 2年半ぶりの<名探偵倶楽部シリーズ>第二弾。
 前作『神薙虚無最後の事件』が相応の反響を呼んだのに、今回は本サイトでも誰も読みませんね? まあそういう自分も刊行後ほぼ1年目にしてようやく読了だけど(笑・汗)。

 で、結論から言うと、とても楽しめた。
 ケレン味満点で、しかも(中略)が続出する作劇パターンは昨年の某話題作(そっちは評者はまだ未読だけど)と趣向が似ちゃったらしいものの、それでもそのテーゼをひとつひとつ覆していく美少女名探偵・来栖さんが今回もカッコイイ。

 まとめ方は良くも悪くも王道の新本格だな~というところもあるものの、謎解きミステリとしての完成度の向こうにある、作品全体が抱える某・主題が、個人的にはとても心地よい(逆に言うと今後のシリーズの方向性に、もしかしたら、とにもかくにも読者への予断を授けてしまうかもしれないけれど)。
 あー、某キャラの去就についてちょっと大雑把なのがやや気になったけれど(一応は21世紀の話なので)、まあいいか。

 9点に近いこの評点で。昨年の国産作品・現状でのマイベスト1……はちょっと辛いけれど、個人的には上位3~5位には入れておきたい。
 シリーズ次作も楽しみにしておこう。

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