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ミステリの祭典

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念入りに殺された男

作家 エルザ・マルボ
出版日2020年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 YMY
(2025/04/17 21:42登録)
主婦のアレックスが営むペンションにゴンクール賞作家シャルル・ベリエがやってきて、危うくレイプされそうになり抵抗の勢いで相手を殺してしまう。だが自首などせずシャルル殺しの最も適当な犯人は誰かを探り、その人物に罪を着せようとする。
フランス作家らしく、皮肉が利いていてしたたか、そして実に大胆。
面白いのは、アレックスが挫折した元作家という設定で、なりすましているうちに邪な分身を見出して、作家としての真の実力に目覚める点だろう。中盤からはアレックスを追い詰める探偵も現れて、展開が二転三転するのもいい。窮地に立たされながら、犯人捜しを行い、予想外の終点へと突き進む。不思議なカタルシスを生み出す結末もお見事。

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