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ミステリの祭典

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校庭には誰もいない
旧題「たゆたいサニーデイズ」

作家 村崎友
出版日2006年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2025/04/16 16:08登録)
(ネタバレなしです) SF本格派推理小説の「風の歌、星の口笛」(2004年)でデビューした村崎友(むらさきゆう)(1973年生まれ)が2006年に発表した第2作は高校を舞台にした青春小説と本格派推理小説を組み合わせています。4つの短編とエピローグで構成されていますが、全体にまたがる仕掛けがあって短編集か長編作品か読者を悩ませるところは北森鴻の「顔のない男」(2000年)や芦部拓の「三百年の謎匣」(2005年)を連想させます。読みやすさでは本書が上回ります。合唱部への謎の入部申込者、野球部の部室荒らし、学園祭用の映画DVDの盗難、野球部の部室の失火と凶悪性の低そうな事件を扱い、ミステリーとして薄味に感じられるところもありますが終盤の謎解きは充実しており、粗いと思われた前半の推理を巧みにどんでん返ししています。人物描写についてはもう一歩の踏み込みがあればと思いました。

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