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ミステリの祭典

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Le voyageur de la Toussaint

作家 ジョルジュ・シムノン
出版日1941年12月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2025/04/14 23:17登録)
タイトルの意味は『万聖節の旅人』。19歳のジルは、北欧で両親を事故で失い、親戚を頼ってラ・ロシェル(『ドナデュの遺書』第Ⅰ部の舞台でもある港町)に、万聖節前夜ほとんど密航者のようにやって来る。成り上がり者の伯父は数か月前に死んで、莫大な財産はすべてジルに遺されていた。伯父と対立していた町の有力者たちからの接触を受けた彼は…
1941年に書かれた、文庫本に翻訳すればたぶん350ページ以上ある、シムノンにしては長い作品です。上記冒頭部分だけでもミステリっぽい感じがしますが、さらに金庫を開けるパスワードは何かとか、妻の殺人容疑で逮捕された医者を救うことはできるかとか、伯父が実は毒殺されていたことがわかり、その犯人は誰かとか、ミステリ要素たっぷりで、おもしろく読んでいけます。ただ事件全部が解決した後のエピローグは、まあわからないことはないのですが、といったところです。

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