生命式 |
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作家 | 村田沙耶香 |
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出版日 | 2019年10月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | メルカトル | |
(2025/04/09 22:47登録) サヤカ・ムラタは天使のごとく書く。人間のもっともダークな部分から、わたしたちを救い出そうとするかのように。強烈で、異様で、生命感あふれる彼女の作品は、恐ろしい真実を見せてくれる。ふと思うだろう――他の本を読む必要があるのか、と。 Amazon内容紹介より。 最初の短編を読み始めてすぐに、はあ?となり、次でえっとなりました。村田紗耶香は世界をぶっ壊そうとしているのかと思いました。誰も考えられなかった奇想を爆発させ、堂々と文学として世に出している度胸は大したものです。『コンビニ人間』とは全く毛色の違った、おそらく作者が本当に書きたかったものを、これでもかと読者にぶつけてくる威力は凄まじく、これは最早トラウマものだと言っても良いでしょう。 まあしかし、この作品集は一般的な感覚では是非を問われる代物で、興味本位で読んだら怪我をする類の短編を多く含んでいます。一体何を書いているのか、何を読まされているのか理解不能な作品もありますが、最初の三編は大袈裟に言えば人間の尊厳とは何かを問われているように気になりますね。超問題作です。 |