終着点 |
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作家 | エヴァ・ドーラン |
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出版日 | 2024年08月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 文生 | |
(2025/04/07 21:01登録) ロンドンの集合住宅に住む年配の女性・モリーは母娘のように親しくしている活動家のエラに呼び出される。彼女の待つ空き部屋に行ってみると、そこに男の死体が転がっていた。エラは男の顔に見覚えはなく、突然襲われたので身を守るために返り討ちにしたのだという。2人はエレベーターシャフトに死体を隠して隠蔽工作を図るが...。 以上が物語の冒頭部ですが、それ以降、モリーのパートでは時系列順に事件後の経緯が描かれていくのに対し、エラのパートでは事件を起点として過去に遡っていくのがユニークです。そして、その構成を利用して意外な真相を演出してみせた手管にも感心させられました。ただ、本作は読者の意表を突こうとして、普通に描けばどうということもない事件をわざと特殊な構成で描いている故に、読者からすれば少々回りくどく感じてしまう点は否めません。実際、前半から中盤は結構冗長で、本格的に面白くなってくるのはかなり終盤になってからですし...。 |