シャーロック・ホームズとミスカトニックの怪

作家 ジェイムズ・ラヴグローブ
出版日2023年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 まだ中学生(仮)
(2025/04/03 21:33登録)
ルルイエ語を吐き散らす、王立精神病院の謎の患者の素性を追うホームズ&ワトスンの捜査線上に浮かび上がったのは、ミスカトニック大学から来たという若き異端の研究者だった。
元々作者が入手したワトスンは博士の未発表原稿という二重構造のシリーズだが、今回は更に怪生物を求めてミスカトニック川を遡る探検記が挿入されるという、正典の一部長編を模した入れ子構造。それによって、邪神怪物をまぶしたホームズ・パスティシュに加え、より本格的な神話譚も愉しめる二本立てであり、しかもその統合には、名探偵ものにつきまとうある問題が仕掛けられているという、凝った趣向である。

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