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ミステリの祭典

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謎ときエドガー・アラン・ポー
竹内康浩

作家 評論・エッセイ
出版日2025年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 弾十六
(2025/03/13 11:01登録)
2025年新潮選書。
「犯人はお前だ」(1844)を丁寧に読み込む企画。確かに合理的な分析でとても面白いけど、全然ポー自身の姿が浮かんでこない。著者が人工的な世界で遊んでいるだけ。
ところが本書を全部読んでみると、ポーの諸作品には共通テーマが隠れてるのでは?という印象になる。じゃあ、この分析を応用して、この本では全く触れられていない「マリー・ロジェの謎」を読み解いてみたくなる。なぜ探偵小説がテーマの本書に、他のデュパンもの(「モルグ街」&「盗まれた手紙」)は分析されているのに、「マリー・ロジェ」だけが言及さえされていないのか?それは著者の論旨に全く合致してないからという理由だけなんだろうか?
ちらりと紹介されてるジョン・アーウィンの『解決の謎--ポー、ボルヘス、そして分析的探偵小説』(The Mystery to a Solution: Poe, Borges, and the Analytic Detective Story by John T. Irwin)が気になるなあ。
まあ私は当時の日常世界とか思想世界とかが気になるタチなので、歴史的記述が全く欠けているこういう分析にはあまり面白さを感じないのです…

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