読者への挑戦 -12の推理パズル- |
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作家 | 山村正夫 |
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出版日 | 1976年03月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | 人並由真 | |
(2025/03/13 07:24登録) (ネタバレなし) 東京都中野区で、母親とアパート暮らしの小学6年生・片野史郎。彼は、警視庁の名刑事として名を馳せながら殉職した片野行男部長刑事の遺児だった。史郎は、父の部下だった捜査一課の永井義郎刑事の後見のもと、いくつもの殺人事件にアマチュア少年探偵として関わってゆく。 殺人事件を主題にした、ジュニア向けの12編の連作謎解きミステリを収録。それぞれ途中までは普通の小説形式だが、手掛かりが出そろったところで読者への謎解き(犯人は誰か? その殺人方法は? など)が提示され、最後は作者=神の視点での説明文で終わる、のパターン。 現職刑事がいくら恩義ある先輩の忘れ形見とはいえ、ホイホイ捜査現場でコドモに融通をはかるのはどーかとも思うが、その辺はもちろんジュブナイルだからアリということで。 実質、児童向けの推理クイズがスタンダードで、トリックなどもどこかで見たようなのが大半。ただし中には、ちょっと語り口などの面で興味深いものもあり(第12話など)、就寝前にもうちょっとだけミステリを読みたい気分の際や、病院の待合室での時間潰しなどには重宝した。 たぶんどっかの学習雑誌に一年間連載された連作の集成だとは思うが、昭和の子供には結構、人気があったんじゃないかと思う。 |