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ミステリの祭典

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邪魔な男

作家 大谷羊太郎
出版日1988年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2025/03/13 06:36登録)
(ネタバレなしです) 1988年発表の本書は最後は本格派推理小説ならではの推理による真相解明で着地していますが、定型にはまらないプロット構成が印象に残ります。旅行中の女性が渓谷で死体となって発見されます。警察の捜査は迷宮入りしてしまい、被害者の婚約者である男性と被害者の親友である女性が探偵コンビを組んで事件を調べます。中盤には何と唐突に殺人犯の正体が読者に対して明かされ、謎の脅迫者に悩まされていることがわかります。この脅迫者の正体も同様に読者に明かされ、探偵役の視点、殺人犯の視点、脅迫者の視点が入れ替わるという展開になります。警察が失敗した謎解きを素人ができるはずがないと微妙に消極的な主人公(婚約者)が、捜査が進み被害者の秘密を知るにつれて心情に大きな変化が生じていくところが本書の読ませどころです。

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