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ミステリの祭典

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危険冒険大犯罪
片岡直次郎もの、近藤&土方もの ほか

作家 都筑道夫
出版日1984年07月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2025/03/06 22:32登録)
(ネタバレなし)
 作者のアクション・活劇系のミステリを集めた中短編集。
 角川文庫オリジナルか?

 内容は以下の通り。

①「俺は切り札」
 ……物部太郎三部作のワトスン役、というよりは、事件屋稼業もののケッサク連作集『一匹狼』の主人公・片岡直次郎の主役編。
 この文庫本の目次にいかにも短編風の見出しが5つ並んでいるので、まったく別の事件を扱った5つの連作短編かと思ったら、続いている一本の話(中編)だった。ホックの「怪盗ニック」ものの多くみたいに、ぶっとんだ奇妙な依頼から開幕するのは『一匹狼』と同じ。
 最後がややあっけないが、昭和の活劇アクションスリラーとしてはそれなりに楽しめる。評者の好みのタイプの、いやらしいゲストヒロインも出て来るし。見逃していた1960年代の国産・陽性アクションドラマを、BSまたは配信で見つけて、面白がるような味わい。

②「帽子をかぶった猫」
③「肩がわり屋」
 ……ともにノンシリーズだと思う。裏世界に関わる連中を題材にした話で、②は中編。③は、某海外ミステリ巨匠作家のあのネタが使われている。

④「ああ、タフガイ!」
 ……日本在留のアメリカ人主人公のトラブルシューター編? あまり言えないが、本書のなかでは変化球系かも。冒頭から描写がいかにもツヅキ風にエロくて結構。

⑤「ギャング予備校」
 ……『悪意銀行』『紙の罠』の主人公、近藤&土方コンビの主役編。
 評者がこの二人に付き合うのは、これが初めてだと思う。金持ちの老人が夢想家の息子の頭を冷やそうと、主人公コンビに相談を持ち掛ける序盤は、『一匹狼』の基本パターンっぽい。こちらも最後がややあっけないが、あちこち思わぬ方向に転がり続ける話の勢いは楽しめる。

 たまにはこーゆー方向の、ツヅキもいいな。

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