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ミステリの祭典

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暗号の子

作家 宮内悠介
出版日2024年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2025/04/04 11:59登録)
 作者曰く “テクノロジーにまつわる話を集めたもの”。先端のテクノロジーには皆注目して、いずれ誰かが書くだろうから早い者勝ちである。解釈の誤謬が後に見付かるかも知れないし、それも含めやがて過去のものになる。結構リスキーな挑戦だと私は思っている。
 一番心が動いたのは「ペイル・ブルー・ドット」で、やはり判り易さとチャレンジャーな子供には勝てないのか。もっとしっかり長編にすれば良いのに。と思ったが、その手のSF長編は既に色々あるんだよね。小川一水とか山本弘とか野尻抱介とか。明確な “SF” になるまで引っ張らずにサラッとぶった切る方が、ジャンル越境作家・宮内悠介の個性が出るのかも。
 AIで執筆した掌編もあり。うーむ。一世紀前の文豪が書いた独り善がり強めの不人気作、って感じ。あとがきでプランを説明しているが、その狙いは戦略ミスではないだろうか。何故なら、AIでヘタウマは(あざと過ぎて)成立しないからである。

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