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ミステリの祭典

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天才遺体修復人M
この夜の果てで、君を葬送る。

作家 葉月香
出版日2018年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2025/03/02 22:20登録)
どんな遺体もまるで生きているかのように復元できる天才遺体修復人『M』。彼はこの世ならざる光を見、死者の言葉を聞き取るという。が、ある理由で資格を剥奪された。それでも依頼は途切れることはない――。専門学校で葬儀学を専攻する葉山ケイトは、事故死した父がMの施術を受けたことがきっかけで彼を探し始める。百合の花を目印に出会ったふたりを待つ運命は……。この生の先にあるものは何なのか――読めば必ず涙する! 切なくも美しい感動作。
Amazon内容紹介より。

可もなく不可もなし。しかし、甘いだけのラブ・ストーリーではありません。悲恋の物語と言っても良いでしょう。
遺体修復人、所謂エンバーマーと呼ばれる、どちらかと言うと日陰の仕事に従事するマリエルと助手を買って出たケイトが仕事を通じて、友好を温めていくのだが・・・。

奇跡を起こしたかのようなマリエルの仕事ぶりはなかなかに鬼気迫るものがあり、迫力が伝わってきます。同時に助手として腕を磨いていくケイトの心情も透明感を伴いながら描かれていきます。読んでいて飽きることはありませんが、心に突き刺さるものがイマイチ足りないのが残念です。単なる良い話で終わってしまい、もっと異形の色を出して欲しかった気がします。まあ暇潰しにはなりますけどね。

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