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ミステリの祭典

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うそつき、うそつき

作家 清水杜氏彦
出版日2015年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 虫暮部
(2025/03/05 14:21登録)
 “嘘発見器に伴うコミュニケーションの変容” と言った世界設定は良く考えられている。失い続けて哀しめないことの哀しさよ。誰の話が嘘か真か、主人公はこんがらがったが私にも判らない。
 終盤、“ピースが嵌まる” と言うよりは、流れるままに諸行無常エンディングへ着地したのは少々残念。ミステリ的な捻りを期待し過ぎた。
 これらを纏めて牽引する文章と、その向こうに感じられる世界へのまなざしや距離感は、とても心地良い。第5回アガサ・クリスティー賞受賞作と言われれば成程、ハヤカワ文庫JAに似合いそうな作品である。

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