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ミステリの祭典

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犯罪の回送

作家 松本清張
出版日1992年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 みりん
(2025/02/19 23:30登録)
日本を意図的に凋落させている巨悪組織・財務省がまだ大蔵省だった時の日本。基礎控除を30年据え置きにする増税脳の与党も国家存続の危機に紙の保険証がどうとかいう第一野党もいなかっただろうし、この高度経済成長期の頃の我が国はさぞ輝かしい時代だったのでしょう。この時代のミステリーを読むたびにそんなことを妄想してしまう。本作は1962-63年に小説新潮で連載されていたものを大幅改訂し、1992年に没後出版された長編とのこと。
北海道の北浦市の春田市長は工場誘致のために港湾埋立計画を推進している。大蔵省からその許可を得るために、春田は東京に出張するが、その夜に行方不明になり、数日後に絞殺死体となって発見される。さらには、埋立計画に猛反対している革新派の野党議員早川も上京していることが判明し、警察は事件の陰で蠢く動機から捜査を開始する、、、というような、いかにもな社会派を匂わせるが、帯にある「鮮やかなトリックを駆使した傑作長編推理」に宣伝負けしないほどトリックは極めて本格モノ。清張サンの捜査編の快感は何から来るものなのだろう、今回も堪能させてもらいました。
郷原宏氏の解説にて、噂に聞くThe・新本格バッシングに初めて遭遇して笑いました。

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