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ミステリの祭典

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桜の下殺人事件
十津川警部シリーズ

作家 西村京太郎
出版日1998年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 たかだい
(2025/01/28 00:27登録)
個人的に西村京太郎の作品は箸休めに丁度いい(言い方は悪いが)小物が多いという印象を持っているが、一方で発想が大胆で先鋭的なテーマも決して少なくない
この作品の場合は、まさに後者であり、あらすじの時点でなかなかに興味深い
当時は概念としても新しかった「多重人格」を扱った作品であり、派手さはないがサスペンス物として大いに興味を惹かれた作品です
また、捜査に関してストイックな姿勢と熱い想いを抱く十津川警部をして、本作のラストはなかなかに異色。それだけ事件の真相、黒幕に対する怒りがまさったという事でしょうが、話の締め方が他の十津川警部シリーズとは一線を画す終わり方で、ここまでキレた十津川警部を見られるのも珍しい気がします
ともあれ、西村京太郎作品としても、十津川警部シリーズとしても読み応えのある、隠れた名作といっても良い作品だったかと思います

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