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ミステリの祭典

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鹽津城

作家 飛浩隆
出版日2024年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2025/01/24 12:12登録)
 全6編。判り易い大文字のSFではない。一般的な意味でのストーリーテラーとは違う――そういう自己の作風(が認知された状況)にちょっと胡坐をかいてないかな~?
 しっかりオチに着地させる姿勢があまり見られないのだ。厳しく言えば “物語” になっているのは「流下の日」だけ(“嘘を書いてもアンフェアにならないトリック” と言うSFミステリ?)。「未の木」は始まりかけたところで断ち切ってしまった。
 あとは幾つかの “場面” の羅列に留まっていると思う。但し、決してつまらない場面ではなく、特に表題作は魅力的。だからこそしっかり長編に展開させて欲しかった。1960年生の作者は自分の “残り時間” を意識しているようで、短編志向なのだろうか? 尚、作中の大ヒット漫画が現実の某作を連想させる点は、物凄く安っぽく感じられて惜しい。

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