鬼の哭く里 |
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作家 | 中山七里 |
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出版日 | 2024年05月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | HORNET | |
(2025/01/02 17:13登録) 岡山県津山市姫野村。人口 300 人にも満たないこの限界集落には、70余年前、村人 6 人を惨殺した巌尾利兵衛の呪いにより、数年に一度、鬼哭山から利兵衛の咆哮が轟き、仇なした者を殺すという呪縛を恐れていた。そんな村に、一人の男が東京から移住してきたことをきっかけに、呪いの犠牲者と思しき死者が出てしまう。移住者の排斥に昂ぶる閉鎖的な村民たち。いったい、事件の真相は―? 冒頭は、「津山三十人殺し」を彷彿とさせるよう。著者策の「ワルツを踊ろう」も同様な色付けだったから、何となく既視感が… <ネタバレ> 「咆哮が聞こえることは、死者が出たとき以外も何度もあった」という記載から、「まぁ、自然現象っていうオチなんだろうな」とは思っていた。それでも一番最後に一仕掛けするのはさすがで、ブラックな結末ではあるがらしさが感じられる一作だった。 |