川のほとりに立つ者は |
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作家 | 寺地はるな |
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出版日 | 2022年10月 |
平均点 | 8.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 8点 | take5 | |
(2024/12/29 16:20登録) 「川のほとりに立つ者は、 水底に沈む石の数を知り得ない。」 ※作中『夜の底の川』より 多くの物語がそうである様に、 傷ついた人々が他者に救われ、 そして再生していく。 そんな展開を希望する… その思い込みこそが罪かもしれない。 作者は作中でそう語ります。 人は誰でも物事を一人称で捉えます。 ここでいう物語は現社会と同意です。 私たちはこの物語を読みながら、 主人公が、勇気を出して差し伸べた手を 振り払われた瞬間の、 痛いほどの恥ずかしさを、 いたたまれなさを追体験するのです。 見えている世界を反転させた時、 痛みと共にそれでも必要だったと 思える読後感を得られました。 読書の可能性を感じる222ページ✨ |