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ミステリの祭典

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赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。
昔話ミステリ

作家 青柳碧人
出版日2024年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 文生
(2024/12/14 05:55登録)
昔話ミステリの第6弾であり、同時に、指輪の魔人にアラビアの国に連れてこられたのをきっかけに赤ずきんがアラビアンナイトの世界で冒険を繰り広げる赤ずきんシリーズの第3弾です。一連のシリーズの元祖たる『むかしむかしあるところに、死体がありました。』ではあくまでも元ネタである特定の昔話の設定を用いてトリックを仕掛けていたのに対し、本作はトリックに使えそうなアラビアンナイトのエピソードをつぎはぎしている感が強い。そのため、ご都合主義に感じられ、トリックが明らかになった際の驚きはほぼ皆無です。特に、ランプの魔人を利用したトリックなどはほぼなんでもありで、いただけません。一方で、原典をなぞってシェヘラザードが残忍な王に赤ずきんの冒険を話聞かせていくプロットは(ミステリの仕掛けとしては大したことはないものの)展開としてなかなかユニークでそれなりに楽しめました。

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