トップレス・バーの女 私立探偵サイモン・ケイ |
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作家 | ヒラリー・ウォー |
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出版日 | 1984年12月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 7点 | 人並由真 | |
(2024/12/12 06:44登録) (ネタバレなし) 「私」こと、元警察官で当年30歳の私立探偵サイモン・ケイは、ある日、弁護士レナード・ハーグローブ・ウッドの依頼を受ける。元銀行員で定年まで勤めあげたのち、猛勉強して若い頃から憧れていた弁護士になったウッドだが、法曹界では新参者で大口の客に恵まれず、公選弁護人を務めていた。そんなウッドが現在弁護するのは、警官だった夫マット・ブレントを射殺した容疑で留置されている主婦カーラ。カーラは自宅に侵入して夫を射殺した男がいたと主張し、事件の関係者としてトップレスダンサーの踊りが売りの酒場「サイモンのバー」のダンサー、ネリッサ・クレアーの名を挙げていた。だが弁護士ネッドがそのネリッサに会いに行くと、彼女はすでに店を辞めて行方をくらましていた。ネリッサの捜索を依頼されたサイモンは事件に関わっていくが、やがて意外な真実が浮かびあがる。 1983年のアメリカ作品。私立探偵サイモン・ケイシリーズの第4弾で、日本ではこれが最初に紹介されたらしい。 サイモン自身がネッドに語る通り、線路の上を走る列車のように、関係者の軌跡を可能な限りに追っていく私立探偵小説のスタンダードのような作品。しかしさすがは巨匠ウォー、熟練の筆さばきと筋立てで、なかなか面白い。 猥雑な人間描写、矢継ぎ早のイベント、さらに主人公サイモンの危機の連続……とメニューを手際よく並べたB級ハードボイルド(そういう言い方はあまり好きじゃないが)で、終盤に判明する隠されていた事件の意外性もそれなりのもの。 ただまあ、作者が仕掛けてきた大ネタは、割と早くから気づく。でもって、それって作中のリアルでアリかな? とも一瞬、疑問が生じたが、まあちょっと考えて説明をつけられないことはない。よくいえば、スレスレのところでうまい綱渡りをこなした、ともいえるのか。 1980年代の比較的近代の時勢のなか、伝統の50年代私立探偵小説の王道を守る嬉しい作り。 ちなみに現時点ではAmazonにレビューがひとつだけあり(未読の人は読まん方がいいかな)、主人公サイモンのハードボイルドぶりをホメちぎっているけど、自分もまあそれについての異論は……ないかな。個人的には、ソコまで引っかかるポイントでもなかったのだが、まあ、くだんのレビュアーの言いたいこと&気持ちはわかる。 邦訳でシリーズの未読があと2冊。さらに未訳分のサイモン・ケイものもまだ2冊あるんだよな。 新古典警察小説の雄・ウォーのネームバリューで、今からでもどっかで発掘してくれんかしら。 (まあ本筋の警察小説路線、フェローズ署長ものの未訳作の紹介も願いたいけどよ。) 評価は0.3点ほどオマケ。 |