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ミステリの祭典

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ほんとうの名前は教えない

作家 アシュリィ・エルストン
出版日2024年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2024/11/28 23:11登録)
 冒頭から”エヴィ”を名乗る主人公は、実は正体を偽って対象を調査する闇組織に属する女性。今回結婚を約束するまで近づいた男性ライアンも調査対象者。ところが任務を遂行するエヴィの前に、自分の本名”ルッカ”を名乗る、自分そっくりの女性が現れる。彼女も「組織」の人間なのか?だとしてもなぜ自分の前に?エヴィが疑念にとらわれる中、事態は次々に急展開し―
 
 結婚を見据えた幸せなカップルのような冒頭の物語が、あれよあれよと姿を変えていく。実は”エヴィ”の調査対象であった、婚約者のライアンにも後ろ暗いところがあり、さらには自分の本名”ルッカ”を名乗る女性も、自分に仕掛けられた刺客だった。いったい”エヴィ”のボスは何を企み、そして誰なのか―?「現在」と”エヴィ”のこれまでの様子が描かれた過去が交互に描かれる章立ての中、常に動き続ける展開から目が離せない。
 読み進めるにつれて、ミステリを嗜んでいる皆さんならボスの正体は見当がついてくるとは思う(私もそうだったし)。が、それを踏まえても物語の行く先への興味は尽きないリーダビリティがある。
 面白かった。

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