寒波 P分署捜査班 |
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作家 | マウリツィオ・デ・ジョバンニ |
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出版日 | 2023年02月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | 猫サーカス | |
(2024/11/23 17:33登録) ナポリのピッツォファルコーネ署は曰く付きの分署である。刑事たちが押収した違法薬物を密売していたのだ。新署長のパルマが就任し刑事課も一新され、ひとまず分署の廃止という事態は免れた。だが新たに加わった刑事たちは、他の署で問題を起こした鼻つまみ者ばかりだった。マフィアとの癒着が疑われ、シチリアから配転されたロヤコーノ。容疑者に過度な暴力を振ったロマーノ、署内で発砲事件を起こした女性刑事アレックス、常軌を逸したスピード狂のアラゴーナ。この面々を見れば世界が彼らをP分署のろくでなしたちと呼ぶのも無理はない。今回彼らが扱うのは、アパートの一室で兄妹が殺された二重殺人事件と、中学生の娘に対する父親の性的虐待事件である。彼らの失敗を願い、署の廃止を画策する勢力に抗いながら、限られた日数のもとで、ろくでなしたちが事件解決に挑んでいく。捜査のパートだけではなく、別居中の妻に対する妄念と暴力衝動や、威圧的な父と自身のセクシャリティなど、彼らが抱える問題や悩みにも充分に筆が割かれている。 |