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ミステリの祭典

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幽霊詐欺師ミチヲ
幽霊詐欺師ミチヲシリーズ

作家 黒史郎
出版日2011年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2024/11/18 22:35登録)
未練を残す幽霊をだまし、財産を巻き上げる集団がいた――その名は幽霊詐欺師。多額の借金から自殺を図ろうとしていた青年ミチヲは、苦悩から解放される代わりに、「幽霊を騙しきる」謎の仕事をもちかけられるが!?
Amazon内容紹介より。

主人公のミチヲはどこにでも居そうな普通の青年ですが、結婚詐欺に遭い多額の借金を抱え首吊り自殺をしようとするシーンから始まります。そこに現れたのは一匹の大型犬。自殺を邪魔しようとするような仕草でミチヲを一瞬思いとどまらせます。更にカタリと云う謎の男が出てきて・・・。という、なかなか吸引力を持った二人と一匹の邂逅から始まり、物語は悲惨な自殺を遂げた女性の幽霊を騙す仕事の代わりに借金の肩代わりをしてもらう、というのが第一話。

上記の様に普通のホラー感覚で読むのはちょっと違うかなと思います。
登場人物が極端に少ない為、すんなりとこの異様な世界観に入って行けるでしょう。第一話では主にミチヲと女性の幽霊との駆け引きが読みどころとなっています。
第二話も非業の死を遂げた少年の悲しい物語です。こちらでもミチヲは少年の幽霊に感情移入しながらも何とか仕事を全うする事が出来ます。幽霊を騙すというより、幽霊の感情を理解し、納得させて事を収める感じです。まずまず評判通りの良作だったと思いますね。

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