home

ミステリの祭典

login
シャンパンは死の香り
ネロ・ウルフ

作家 レックス・スタウト
出版日2024年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2025/01/31 12:38登録)
(ネタバレなしです) 1958年発表のネロ・ウルフシリーズ第21作の本格派推理小説です。4人のシングルマザー(作中表記は未婚の母)と4人の男性を招いての夕食会にアーチー・グッドウインが代理参加することになりますが、毒薬を持参している女性がいると聞かされてその女性を注目しているとシャンパンを飲んで死んでしまいます。しかし被害者が毒をシャンパンに投入していないというアーチーの目撃証言しか殺人の証拠がなく、警察は(終盤まで)自殺と判断しています。彼女を狙ってグラスに毒を仕込む方法がわからないというトリックの謎解きがこの作者としては珍しいです。一方でシングルマザーの子供や子供の父親についてほとんど言及されないプロットなのは意外でした。推理説明が後出し気味ではありますがこの作者としてはしっかりした謎解きだと思います。論創社版の巻末解説ではスタウトの作風と欧米と日本での人気の格差について丁寧に紹介しており、確かにガチ本格派が大好きな私はこの作者のよき読者とは言えないなと再認識しました。余談ですが後半での登場とはいえ、被害者の母親は登場人物リストに載せた方がよかったように思います。

1レコード表示中です 書評