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ミステリの祭典

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歌人探偵定家
百人一首推理抄

作家 羽生飛鳥
出版日2024年06月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2026/07/16 19:56登録)
(ネタバレなしです) 平家物語推理抄シリーズでミステリーデビューした作者が2024年に発表した新シリーズの第1短編集(5作の短編を収めています)で、藤原定家を名探偵役にして平家物語推理抄で名探偵役だった平頼盛の息子の平保盛をワトソン役にしています。作中時代は1186年から1187年にかけてで平頼盛は既に世を去り、源平の争乱は終息したものの盗賊や放火などまだまだ平穏とは程遠い荒れた世界です。作者あとがきで藤原定家や百人一首が好きな読者は当時の文化風俗を、本格ミステリが好きな読者はバラバラ殺人、密室からの人物消失、見立て殺人、火事の出火原因、連続殺人の各種謎を楽しめるよう趣向を凝らしておりますと紹介しています。文学歴史に弱い私は後者を楽しみました。時代知識が必要な謎解きもあって読者が自力で真相を見抜くのは難しいと思いますが、説明は非常に丁寧でわかりやすいです。病弱の身ながら和歌を汚す行為にはたけり狂う定家のエキセントリックぶりが印象的です。

No.1 6点 HORNET
(2024/11/17 16:07登録)
 源平合戦が終結した平安末期。平家一門の生き残りである平保盛は、亡き父・頼盛が守り抜いた一族の暮らしを絶えさせぬよう、静かに暮らすことを心掛けていた。だが都は盗みや殺しが横行する荒んだ日々。そんなある日、和歌が添えられた女のバラバラ死体が発見される。偶然その場に巡り合った保盛は、和歌をこよなく愛する朋友・藤原定家とともに、その真相解明に乗り出すことになる―

 「平家物語推理抄」シリーズの続編という位置づけであろう、頼盛の息子・保盛をワトソン役とし、当代きっての歌人・藤原定家を探偵役とした連作短編。殺された遺体に添えられるなど、何らかの形で百人一首に収録された和歌が絡んでおり、事件の概要を描く段は「上の句」、解決編を「下の句」として組み立てた構成はなかなかに洒落ている。時代風俗や政治背景も巧みにちりばめられ、歴史ミステリ期待の新人といえる出来栄えは、前作以降も変わらないと感じる。
 1話目「くもがくれにし よはのつきかな」3話目「からくれなゐに みづくくるとは」が個人的にはよかった。いにしえの古都が舞台となっているので、科学的な緻密さは当然弱いが、その時代なりのロジックが考えられていてそれもまた面白い。
 ただ定家のキャラがラノベ風にぶっ飛んでて、前シリーズのような歴史ものの重厚さは薄れた。定家のセリフにやたらと「・・・っ!」が多用されるのは少し煩かったかな。

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