神に愛されていた |
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作家 | 木爾チレン |
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出版日 | 2023年10月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | メルカトル | |
(2024/11/09 22:06登録) 若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。 しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った――。 やがて三十年の時が経ち、冴理のもとに、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。 「私には書く権利がないの」そう断る冴理に、 「それは三十年前——白川天音先生が亡くなったことに関係があるのでしょうか」編集者は問う。 「あなたは、誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことってあるかしら」 ――そして、この時を待っていたというように、冴理は語り始める。 高校文芸部の後輩、白川天音が「天才小説家」として目の前に現れてから、 全ての運命の歯車が狂ってしまった過去と、その真実を……。 Amazon内容紹介より。 一言で表現するなら浅い。内容が薄っぺらいってことですかね。これはミステリと呼べるのでしょうか、敢えてジャンル分けすればイヤミスなのでしょうが。サラッと読めて後に何も残らない感じです。日頃から苛烈なミステリを読んでいる身としては、いささか物足りませんでした。 一応、最終章でどんでん返しを目論んだ訳ですが、主人公の冴理が目の前の相手の心理状態や雰囲気、空気を読めなさすぎな気がします。女性同士で、それくらいは分かるだろうと思わず突っ込んでしまいそうでした。 まあ些細な誤解が悲劇を生んでしまった物語なんですが、その代償が余りに重く、読んでいて辛くなりました。それでも生ぬるい印象が拭えないのは、文章が上手くないからでしょうね。表現力が拙いと思いました。 |