紅い喪服 佐野洋 推理傑作選 |
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作家 | 佐野洋 |
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出版日 | 1981年10月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 斎藤警部 | |
(2024/11/03 23:13登録) 一等車の女 先頭打者はショートショート。 横須賀線とホテルのロビーを舞台に、一種の復讐譚。 洒落ちゃあいるがひでえ話(笑) 5点 冷えた茶 妻の過失致死で捉えられた大学教授は饒舌な被告人。 罰金刑で解放された今は、妻の妹と二人暮らし。 その妹が、姉の死に疑惑を抱いている。。 「卑怯だわ」 。。いい時の佐野洋らしいフレンチスタイル。 誰かが何かを隠している心理劇。 終盤、ありきたりなアレかと苦笑していたら、最後の十行足らずでまさかの ・・・ これは効いた。 こりゃキツい。 佐野洋流の連城魂をあっさりスタイルで見せ付ける。 残酷過ぎるじゃないか ・・・・ 8点強 穴 団地主婦たちのグラグラ「競馬」イヤサス。 無知と浅知恵のゆるやかな暴走が痛々しい。 ストーリーの分岐点に何気な惑わし。 あ、そこ正直に行くんだ、とか。 あ、そこはほぼスッ飛ばすんだ、とか。 大いにブラックな、ショートショート風の落ち。 サスペンスは結構ありました。 7点 拳銃を持つ女 人々にお金やプレゼントを配る「サンタ」事件?が群発。 タイトルとストーリーの乖離にアレ? と興味津々だったのが呆気なくネタ明かしされてチャンチャン終わり。 拳銃の行き先に事件性を含ませて、長篇まで膨らませたら、、 とも思う 5点弱 紅い喪服 県議会議長夫人の葬儀に訪れたのは、真紅のスーツ・真紅の帽子に身を包んだ妙齢の女性。 これに疑惑を覚えたチョイ悪ブン屋が鼻をつっこみ、意外な人物が亡くなり、地方政界は掻き回される。 ところがどっこいッ ・・・ という話。 なかなか意外で大きな結末だが、ちょっと読めちゃう所もあるね。 とは言えこの●●真相の奥深さはなかなか。 6点強 利口な女 独身主義の女と、離婚歴のある女。 二人は手を組む。 そんなん、うまく行くわけが ・・・ 案の定だよ 4点 氷の眼 有名人ヌード写真が次々と現れる事件。 昭和の中期にまさかのAI絡み案件かと本気で疑うほどの不可能興味、ではありましたが ・・・ そこは意外とアッサリ解決。 だが物語の全体像には力強い逆説が宿る。 佐野洋風チョイエロ版のブラウン神父。 6点強 仲のよい夫婦 二組の夫婦を巡り、捩れた「因縁」復讐譚が更に捩れて、ある意味ミステリの王道を爆進。 カッチリ嵌った結末模範演技も良し。 6点 現代の貞女 一風変わった「告発型遺書」を遺した自殺者は病に悩んでいた様だが 。。 義憤を掻き立てつつ、反転返しが見事に決まった。 これぞ皮肉!な話。 6点強 捨てられた女 電車事故で死んだ筈の前夫が、生命保険の広告写真に!? 女は現夫と共に謎を明かさんとする。 途中、謎のお調子者がミステリの場を掻き乱し ・・・ 割とありそうな真相に、しみじみ明るいようで切ないような、ちょっとした人間ドラマのしこりが花と味わいを添える。 6点 宣誓 鍵の開いた玄関から、紳士靴だけが盗難に遭った。 ミステリと言うよりミステリ風味一般小説の味わい。 文体はともかくテーマ的にはむしろ純文学。 6点 個人的には「冷えた茶」が突出していますが、どれも私の好きな佐野洋です。 文庫巻末の、週刊誌編集者(女性)によるエッセー風解説も風通し良い感じでよろし。 |