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ミステリの祭典

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レイチェルが死んでから

作家 フリン・ベリー
出版日2018年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 YMY
(2024/10/25 22:36登録)
読んでいる間ずっと、胸の内をかき立てられ続けて気持ちが落ち着くことが無い。それは本書が、姉レイチェルと彼女の愛犬の惨殺死体を発見してしまった主人公ノーラの一人称で進むためだ。ほぼ全編に渡って現在形で綴られる鬼気迫る心理描写に圧倒されつつも、語り手であるノーラが見聞きした情報しか判断材料がない上に、彼女自身の思考や記憶の全てが明かされるわけではないので、警察を信用せず自身の手で犯人を捜し出すというノーラの言動そのものを信じてよいのだろうかという疑念が湧くのを抑えることが出来ない。その一方で、自身や身内が犯罪被害者となった時、人は何を思い、悔い、怒り、悲しみ、そして何を優先して行動するのかという重いテーマを突きつけられ、否応なく考えさせられる。

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