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ミステリの祭典

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ドッペルゲンガー奇譚集
阿刀田高・赤川次郎・生島治郎・皆川博子ほか

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日1998年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2024/10/22 23:03登録)
ミステリ作家ら10人によるドッペルゲンガーをテーマにした短編集。
作風は真正面から取り組んだもの、変化球、SFに重きを置いたもの等様々でそれなりに楽しめます。一応角川ホラー文庫ではありますが、あまり怖いとか驚かされる印象はありません。
誰か一人でもドッペルゲンガーに対する正当な解答を科学的見地から書いてくれているかと期待していましたが、やはりそれは難しいようで、はぐらかされている様な感じの作品が多かったですね。ただ、辻褄を合せようと苦労の後は見られます。

最も短いながら面白かったのは、名前も知らなかった増田すず子という作家の『分身』であり、次点は生島治郎の『誰……?』でしょうか。しかし、全体的にそれぞれの持ち味を出してまずまずの佳作が揃っているので、合格点だと思います。それにしても、読んでみてドッペルゲンガーという超常現象の不可解さ、それを扱う難しさを思い知りました。

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